「何すんだよひなこ!」
部屋に着くなりひなこに詰め寄る。
いきなり人を引っ張りやがって、びっくりすんだろーがよ!
「もー!何回言わせるの!逆デビュー!するんでしょ!?なのにあの殺気は何!?デビューする気あんの!?」
「あるからこんな格好してんだろ」
「だったらもう少し殺気抑えて!すぐに喧嘩腰にならないの!"あの事"忘れたわけじゃないんでしょう?」
「忘れてねーよ‥‥」
「本当はもう気にすんなって言いたいけど遥香はそれじゃ駄目なんでしょ?だからこうやって‥‥」
「分かってる」
もう済んだことだし、気にすんなってのも分かる。けど"あれ"は完全に私のせい。だからこうして二度と起こらないように足を洗ったんだ。
「悪ぃな、ひなこ。さんきゅ」
「馬鹿ね、何年友達やってると思ってんの?さ、入学式行こ♪」
「おう」
腐れ縁だなんだって言ってもひなこは私にとって大事な存在だ。口には出せねーけど、これでも感謝してる。
「なに?」
「なんでもねー。行こうぜ」
そして私の波乱の高校生活は幕を開けた。