「実は早く来ちゃったから、こっちまで来てたんだ。」

そう言って先輩は笑った。

「あ、その時に買ったんだけど…。」

手渡されたのは、水色のガラスビーズのブレスレット。小さい花がついている。

「海ちゃんにプレゼント。どうかな、気にいった?」

「はい!ありがとうございます!」

私は手首にブレスレットを付けた。

「それよりその浴衣…。」

「え…何か変、ですか?」

「いや、綺麗だ。凄く似合ってるよ。」

「あ、ありがとうございます。」

かっこいい先輩に褒められると、恥ずかしい。

お世辞だと分かってても嬉しいな。

「…!」

水月から電話が来た。