「俺は体育館裏でお前が一年を呼び出していたのも、お前達が何度も転ばせてたのも見た。
そうそう、教科書も盗んだんだった。
お前、二年だな。何組だ。」

一気に言うと女の顔がどんどん青ざめていく。

「…答えろ。」

今までの比じゃない、地を這うような低い声が出た。

ついに女は泣き出した。

「おい、何女子泣かせてんだよ!」

凄い勢いで扉を開けたのは陸だった。

「こいつを庇うのか?」
「当たり前だろ!」

大丈夫か?と声をかける陸。
陸様…と言い泣きつく女。

…茶番劇だな。

「お前、口調外れてるぞ。」
「いいんだよ、別に…」

それまで女しか見てなかった陸と、初めて目が合う。