「お前、ちょっとこっち来い。」

手を掴み、校舎の中に入る。

後ろからキャーキャー声が聞こえるし、手を掴まれたイジメ女は顔が赤い。

お前らいい加減にしろよ…。


「え、今の…空?」
そして、呟く声には気づかなかった。


そのまま空き教室に入る。

「あ、あの…?」

まだ顔を赤らめている女。
一体何を考えているんだか。

…少しからかうか。

「お前、陸が好きなんだよな。ここで俺と2人きりなんて…いいのか?」

「わ、私は平気です…貴方なら。」

こうやって、『女』はすぐ心を変える。

…まぁ、あの一年は違うみたいだが。
陸になびかないみたいだし。