「黒川~、早く」

「はい…」




 おとなしく前に行ってチョークを持った。




「この化学式、わかるかい?」

「あ、はい…」




 これならわかりそう。





 たくさんのアルファベットが並んだ化学式が黒板に汚い字で書いてある。




「ほうほぅ…できるじゃーないか。放課後ちょっと科学室に来てくれるかい?」




 最後の文は小さな声で私の耳元でつぶやいた。







 と、鳥肌ものッ!!!!





 でも嫌とは言えず…



「は、はい……」





 情けないぞ、私!!