「今から私が言う通りにコードを抜けば止まります。まず赤いコードを全て抜いて下さい。順番は関係ありません。」

ざっと見ただけで赤いコードは20本ほどあった。
…迷っている暇はない。
震える手で一本ずつ抜いていく。
「一体なんでこんな事をしたんだ!」

床に置いた携帯に向かって怒鳴る。
ようやく赤いコードを抜き終わった俺の耳に、小さな声が届く。

「…始めから言っているじゃないですか。兄の復讐です。」