決して大きくはないこのラジオ局でも4階建てだ。
社員は、犯人からの要求でラジオ放送をやめられない俺を除けば8人。

たった9分で見つかるのだろうか。
視線を向けた先では慌ただしく走る回る8人の姿があった。
どうやら2人ずつに別れ探すようだ。

…とりあえず俺はラジオを続けるしかないのか。
一度大きく深呼吸をする。
こんなものは気休めかもしれないが、しないよりはいいだろう。

曲の終わりを確認し、次のコーナーにうつる。
原稿を持つ手は小さく震えていた。