美羽ちゃんのお姉さん。



俺がこの保育園で働き始めて、最初に覚えた保護者が彼女だった。


まわりのお母さん達の中で、ひとりだけ高校生だから目立っていた、というのも勿論ある。


だけど、何より
印象的だったのは――



『美羽』


『純ちゃーん』



毎日、毎日。どんな日も。


変わらず美羽ちゃんを迎えにくる彼女の、包みこむような笑顔だ。