『……。あれ、俺寝てた?』
「…ゃ…行かないで……ママ…パパ……」
紗江??
「ゃだ…1人に…しなぃでぇ…」
『紗江!』
「ッ!優…?…夢?…」
『どうした?悪い夢でも見た?』
「ゅぅ……」
紗江は今にも消えそうなくらい小さな声で呟いた。
「どこにも…行かない?」
『え?』
「あたしから…離れたりしない?」
『紗江…、どうした?』
「あたし…怖いの。いつも…この季節になったらあたしの大切なものが消えていく…。だから次は…優が消えちゃうんじゃないかって…。すっごく…怖いの…」
紗江…。
『バカ…。どこにも行かねぇよ。紗江の前から消えたりしねぇよ。ずっと…紗江のそばにいる。約束だ』
「ぅん…。ありがとう…」
俺はそっとキスをした。


***
紗江…約束守れなくてごめんな。
紗江、お前は今もちゃんと笑ってる?
まだ…冬が怖い?
守ってあげれなくて、そばにいてあげれなくて…ごめんな。
けど…、俺はずっとお前を愛すよ。
ずっと…。ずっと…。