学校に近づくにつれて大樹は気分が上がってくるみたいだけど、あたしの気分はそれに反比例して下がっていく。




『大ちゃーんっ♪』


————ほら、来た。



気付けば大樹の周りには女子、女子、女子!

大樹の隣にいるあたしは邪魔だといわんばかりにグイグイと端に追いやられる。というか、完全に存在を無視されている。



大樹は顔が良いからか、かなりモテる。


だけどそれがあたしにとっては“嫌”。



ココにいる誰よりも前から、あたしは大樹のことが好き。


あたしに対してホントに口が悪いけど、それでもなぜか小さい頃からあたしは大樹のことが好きだった。


理由なんてわからないほど、小さい頃から。