慧said

咲夜さんに押し込まれた明人と理人に続き、部屋に入った俺は

「夢だよな・・・」

現実逃避したくなった

「うふふ、夢じゃないわよ。しっかり目に焼き付けなさい」

麗華のその言葉とともに俺の前に差し出された人物

「零、なにがあった・・・」

ため息をつきつつ問いかけた俺の前には・・・

ナチュラルメイクを施され髪はいつも以上に漆黒に輝く、なにがあったのか聞きたくなくなるほどげっそりした零がいた。

「ちょっと色々・・・」

力のない答えを言う零にもう、何も聞かないでおこうと決めた

「さ、そんなことよりご飯よ」

「そうよ~、急がないと8時過ぎてるわよ?それに、今日はお客様が来るから早く出て行ってね」

悪気もなくそんなことと流す麗華と茶目っ気たっぷりの母さん

頭が痛くなる・・・

「そういえば私の鞄は?」

すこし元気を取り戻した零が言った

「俺の部屋にある。取りに行くか?」

俺の言葉に零は無言で頷いた

「の前に飯だ」

「それもそうだね」

威圧感のある笑顔で俺たちを見ている麗華に仕方なく言うと

零も苦笑いしながら言った

俺たちが隣同士に座ったことを確認したあと

麗華の合図で皆挨拶をして食べ始めた