「あの、麗華さんどこ行くんですか?」
「私の部屋よ!!」
麗華さんは楽しくて仕方がないというような顔をして軽くスキップしている
「さ、ここよ」
そう言って麗華さんが開いた扉の向こうは────・・・
* * *
咲夜said
慌てて飛び出した理人や明人を見送ってこの部屋の主に目を向ける
「そんな恨めしそうな顔で見るなよ」
座り込んでこっちを見ているこの部屋の主───慧
「零を盗られたことがそんなに悔しいか?」
ニヤリと笑って言うと慧は目を見開いた後そっぽをむいた
「別にそんなわけじゃ・・・」
モゴモゴと言っているが悔しそうなのは目に見てわかる
「ほんとう・・・」
「そんなことより!」
追い討ちをかけてやろうと思い口を開こうとするが、見事に遮られた
慧のくせに・・・
文句を言ってやろうかと思ったが・・・やめた
真剣な表情でこっちを見ている慧に目線で話せと言った後
話し始めた慧の話を
ブスッとしながら聞く
「零の眼鏡壊れたみたいですけどどうすんですか?」
少し怒気を含んだ声で言う慧にイラッときつつも答えてやる
「そのことについて明人たちにも話がある。とりあえず明人と理人のとこ行くぞ」
そう言って部屋を出た俺はふと思い出し引き返す
「言い忘れてたけど着替えて来いよ?」
部屋を覗きながら言うと慧はハッとしたような顔をして部屋の奥に消えた