「よぉ・・・慧」

「・・・おはようございます」

そう言った咲夜さんに少し引きつった顔で兄貴が返す

「なんでお前零に抱きついてんだよ」

「いや・・・さっき零が・・・」

「零がなんだよ?・・・てかお前殺す!」

兄貴の言い分を聞かず

そう言って駆け出そうとした咲夜さんを姉さんの声が止める

「えー私の弟なのにぃ?」

まさに鶴の一声・・・

「だが・・・」

眉を下げて困った顔の咲夜さんに姉さんが追い討ちをかける

「咲夜は私のこと嫌いなんだぁ・・・」

「いや・・・」

「私の弟殺そうとするぐらいだもんね・・・」

私の、をやけに強調した言い方に咲夜さんがガクッとうな垂れる

「そんなにションボリしないでよ・・・」

そう言いながら歩き出した姉さんに

あぁ咲夜さんを慰めるのかな?

と思っているとあきらか進む方向が違う

ニコニコと怖いぐらいの笑みを浮かべて向かった先は・・・

「零ちゃん?起きて」

・・・兄貴の所

「んぅ~」

「零ちゃん?」

俺たちに使う声とは違う、優しい声でそっと揺する姉さんの行動に、美少女が起きる気配をみせだす