なぜか足音を忍ばせてベットまで近づいた俺たちは
ヒソヒソ声で話す
「めくって見るか?」ヒソヒソ
「めくってみよう」ヒソヒソ
そろーっと2人で手を伸ばす
「むにゃ・・・慧・・・」
あと少しというところで寝言が聞こえ
2人同時に手を止めた
「おい!女の声だったぞ!」ヒソヒソ
「兄貴女連れ込んでんのかよ!」ヒソヒソ
これまたなぜかヒソヒソ声で話す
兄貴の連れ込んだ女を見てみたい・・・
そう思って明人に目を向けると明人もこちらを見ていた
明人の目も『見てみたい』と言っているのがわかる
無言で頷きあい再び布団に手を伸ばす
あと少し・・・
「何をしている」
ビクッ!
寝ているはずのいつもより低い兄貴の声で驚いた俺たちは
ようやく掴んだ布団を持ったまま飛び退いた
俺はそのままベットの横にあった棚にぶつかった
カシャン・・・
何かが落ちる音がして
グチャ・・・
「あ・・・」
何かが潰れる音と明人の焦った声が聞こえた
何かを踏み潰した明人と2人で恐る恐る兄貴を見ると
体勢は変わらず顔だけを上げた状態でこっちを睨んでいた
「何をしている?」