理人said

朝いつものように兄、明人の悲鳴で目覚めた俺は兄貴を起こすため部屋に向かっていた

「ねむいぃ・・・めんどいぃ・・・」

隣でぼやく明人を横目で見ながら俺も思う

兄貴は寝起きが悪い

といっても恭耶さんみたいな悪さじゃなく

考え事して寝た後みたいなのじゃなく

ただ何をしても起きない・・・

兄貴を起こすのに時間がかかるから、俺たちが起こされる時間はかなり早い

もう少し寝たいのに・・・

「そういえばさぁ・・・最近の兄貴の噂知ってるか?」

思い出したように言った明人

最近の兄貴の噂と聞いてすぐに思い浮かぶのは

俺たちのクラス3-Aのダサい女に会いに来ているという噂

「ダサい女の話だろ?名前がたしか・・・龍ヶ崎だっけか?」

そう言った俺に明人は嬉しそうに言った

「そう、それ!龍ヶ崎財閥の娘と同じ名前のいじめられっこ!」

周りの2人は可愛いのに・・・

そう付け足した明人に2人で笑った


兄貴の部屋の前に着いた。

ノックするがもちろん返答なし

鍵も閉まっている

合鍵(?)を使って扉を開けると─────

「「は?」」

見事に疑問の声が重なった

その疑問の理由は兄貴の寝方だ

ベットには眠らず地面に座りベットに突っ伏している

兄貴の片方の手は布団の中にあり

しかも布団は軽く盛り上がっていて誰かが寝ていると予測できる