「・・・もちょっと」

もぞもぞと動く明人に呆れる

相変わらず寝起きが悪い・・・

慧の方がなかなか起きないけど。

時間を確認するとかなりの時間がたっていた

そろそろ本気で起こさなきゃ

気合を入れ腕まくりするフリをする

次の瞬間

「ぎぃやぁあああぁぁぁ」

呉城邸にとてつもない悲鳴が響き渡った・・・



「さ、次は理人(りひと)ね」

ニッコリと向かい側の扉に向かう麗華の後ろを明人はげんなりした様子で付いていく

理人は一番下の弟、ちなみに明人と双子

コンコンッ

ガチャ

ノックをしてすぐに扉が開いた

こちらを起こすのは簡単だ

「はよ、姉さん」

「おはよ、理人」

気だるそうに前髪をかき上げて出てきた理人は明人同様こげ茶色の髪をしている

理人は明人の弟なのだが理人の方が大人びた顔をしている

ま、双子だからあんまり変わんないけど(笑)

「さ、次はけ───」

「麗華ぁー」

慧ねと言おうとしたところをお母さんの声に遮られた

「・・・呼んでるから行って来るわ、先に慧のこと起こしといて」

そう言って慧の部屋の鍵を渡す

慧は普段から鍵を掛けて寝る癖があるから家族会議(慧を除く)の結果鍵を作った

もちろんこのことを慧は知らない

いつもどうやって入っているのか不思議そう・・・

その時の顔を思い出して笑う

そんなことを考えながら

私はそのままお母さんの所に向かった───・・・