風呂場に入って来た人は、

タオルで私を包む。

『大丈夫か?』

この声は…

『龍…?』

「ん?なんだ?」

龍…。

『うぅ…』

「なっ!なんで泣くんだよ!?」

暗くて分からないけど、
多分、困っている顔だろう。

『だって…暗くて…ヒック…怖くて…』

「それだけで泣くなよ…」

『女の子は弱いの!』

「へぇ…女だったんだな」

失礼な!

私は服を手探りで着る。
『私はちゃんとした女の子だよっ!』

「ヘぇ…どうだか…」

龍は私が着替えたのを確認して、

私の髪を拭く。

『……私の事、好き?』
「な!何言ってんだ!?」

『気になっただけ…』

「………」

返事は返してくれない。
『好き?』

「………」

龍は私の髪を撫でて誤魔化すだけ。

なんで返事してくれないの?

『じゃあ…』

「ん?」

『由希の事は…?』

「……は?」

由希に協力しなきゃ…。