「一人」が寂しいわけじゃない。

流れ行く人々の中で、ぽっかりと。

いつの間にか「独り」になっていた。

関わらないのなら、ほっといてほしかった。

――容赦なく浴びせられる、その言葉は。

救いの手を差し伸べているのか。

好奇心という名の暴力なのか。

私にはたぶん、一生判らない。

救いの手など、求める余地すらも。

与えてはもらえなかった。

「人間」は、裏切る生きものなのだ、と。

必死に自分に言い聞かせて。

傷つきたくないが為に。

固い、固い、殻にこもった。

―――禁断の、記憶。