「うん。そうみたい。治ったらまた遊べるね、小梅(こうめ)と」

小梅と呼ばれた少女は、うん、と噛み締めるようにうなづく。多分、彼女が例の『毎日付き添っている友達』なのだろう。

一見はいい友達同士のように見える。

小梅の服の衿についた血に目をやった。


「その血は・・・どうしたんだ」

小梅は気にも留めていないように、自分の衿を見る。


「ああこれ。今朝、寝てる間どこでぶつけちゃったのか、鼻血が出てて、それじゃないかな?」


そうなのか?と院長を見てから、蓮見にも聞いて見る。


「まぁ・・・前はこんなに寝相は悪くなかったんだけど・・・。入院してからかな?」


入院してから、という言葉を聞いて、ますます羅李に確信が迫ってくる。