「その患者は?今から会えるか?」
「お、やる気になってくれる?」
「ああ。だが、報酬はタダにはしないぞ」
「ちぇ。言おうと思ってたのに」
嘘っぽく言いながら、院長は羅李を部屋へと案内する。
5階に上がって右に曲がって3つ目の蓮見(はすみ)と書かれたプレートがある部屋に入った。
「その人?」
ベットの上に座っていたのは、患者の蓮見と思われる少女だった。15歳か16歳くらいだろうか。
既に右手の指と右足の指は全てなくなっていた。
しかし、そんな姿にもめげずにか、少女は無理に微笑んでいる。
「君が、蓮見か?」
「ああ、はい」
幼さが残る声、羅李には蓮見が中学生にも小学生にも見えた。
「その人が、不治病治療屋?」
割って入ってきたのは、丸い目をした長くも短くもない髪の毛の少女。不安そうな顔で羅李を見ている。