「天音っ!!」 「天音!!しっかりしなさい!!」 「天音ぇーっ!!」 「天音!!」 冬雅、お母さん、雪乃、裕太があたしの名前を呼ぶ。 雪乃に至っては泣き叫んでいる。 あたしは病室を一通り見回した。 1人ずつゆっくりと顔を見る。 忘れないように……。 記憶に残るように……。 あたしが眺めた人たちは、みんな泣いていた。