あのとき抗ガン剤治療をしていたら、……なんて考えない。 あたしは今を大事に生きる。 あたしらしく、最期まで生きられてよかった……。 後悔なんてしない。 でも少し、まだ生きたいと思う……。 矛盾した感情を抱きながら、あたしは手紙を書き続けた。 冬雅の分は、みんなより少し長い文になった。 冬雅にはどうしても、あたしがいなくなっても幸せになってほしい。 そんな思いを、手紙に込めて……。