雪乃は、あっ、というように両手で口を塞いだ。


「いいよ雪乃。覚悟の上だし。」


「天音……。」


雪乃もあたしも、それからしばらくしゃべらなかった。


「……だったらさ!!今年の夏はいっぱい思い出作ろうねっ!!」


「え…?」


「だってあたしたち、今まで海もプールも花火大会も、夏らしいとこ行ってないよ!!だから今年は全部制覇しようよっ!!」


全部制覇って……。