そして今日もやってしまった。 



男は、「じゃあな、気持ち良かった♪」
と満足そうに去っていく。 


私は自分の勇気の無さと、相手のやった後の笑顔が一番気にくわなかった。 



「最低…」



いつもやられた後、後悔する私。 
いつもやられた後、泣く私。 
いつもやられた後、1人ぽっちな私。 




この世界では誰も助けに来ない、そぅ、 
自由すぎ。 
 
 

こんな汚れてる国になってしまったのは何故か…



どうして私は汚れたのか。 


なんで、「助けて!」の一言を言えないのか。



私は自分にムカついた。 

そしてリスカを考えついた。 



やった事はない、けど。 
やったら安らげる、って聞いた事あるな…



そぅ思った私はとりあえずまだ着れるコートをはおって文房具屋に向かった。 



そこには同じクラスの佐々木がいた。


「…おっす。上田。何買いに来たの?」


私に気付いた佐々木は話かけてきた。 

「ちょっと…ね、ノート切らしちゃってさぁ!」
と適当な事を言う私。 



わー、カッターなんて言ったら不思議に思われるよなぁ? 


とか思った。心臓バクバクで返事を待った。 
「ぁあ、ノートか、ならこれぃいぜ?」

取り出したのは 
可愛らしい水色のノート。 
特に絵とか模様はついていない。 
どこにでもあるようなノートだった。 


「上田に…似合うからさ!水色って…」

頬を赤く染めて、目線を斜め下にしながら佐々木は言った。 

「…ありがとう。じゃ、これ買うね♪佐々木がせっかく教えてくれたんだもん!」

と笑顔で答えた。 
てか、バレなくてセーフ? 


そぅ思いながらレジに向かった。 
すると隣から、1000札を渡された。

「これで買いな。じゃ、な!!!」


と、1000札を置いてって佐々木は帰ってしまった。 

私はそのお金を使って、ノートとカッターを買った。 


ごめんね、佐々木。 
使っちゃって。 
後で返すから! 


そう思いながら 
家に帰った。