「篤人~、どこ行ってたんだよ!」

教室に入ると和樹が近寄ってきた。

「あ~、」

さっきのことを和樹に話した。

「それってさ、北高の氷のマドンナじゃん?」

「はっ?」

「篠原 莉子ちゃんだろ?北高で一番の美人って言われてるけど口も利かないしって有名だぜ。」

「まじで?」

「でも唯一親友がひとり北高にいるらしくて、その子しか笑顔見たことねーらしいぜ。」

「へ~。」

いろんな事実発覚かも。

「まじ話せるとか幸せ者すぎんだろ~。彼女持ちのくせによぉ。」

なんでだ、何か分かんねーけどすっげぇ知りたい。

その子のことを知りたくてたまんなくなった。

「…もしかして、一目ぼれしたとか?」

和樹がにやにやしながら聞いてきた。

「はっ?まっさか(笑)」

笑って流したけど内心ギクっとした。