「おいっ、大丈夫かよ?」

彼女の体を起こすとゆっくり目が開いた。

長いキャラメルみたいな髪で、猫みたいな鋭い目でこっちを見てきた。

あんまり美人だったから俺はしばらく目を離せずにいた。


「…ちょ、離してくんない?」

可愛い声してるくせに生意気な言葉。

「いや、お前が倒れてたから助けたんじゃん。」

元々俺も口が悪いからついキツイ口調になっていた。

「それはどうも。」

心のこもってないような言い方で俺の腕をほどいた。

「お前保健室行けよ。」

顔色が悪かったからつい言葉に出た。

「…あんたが連れてってくれんの?」

「はっ?」

「最後まで助けないんだったら元から助けるなって話。」

…は?かなりムカつく発言。

そこまで言われたら最後まで助けてやろーじゃん?

「乗れよ。」

俺がしゃがむとその子はひょいっと背中に乗った。

ふわっといい匂いが俺をつつむ。

「やればできんじゃん…。」