「そっかぁ、親とか何してんの?」

「一人暮らししてるから、そんなのいない。」

「あ…わり、へんなこと聞いたな。」

「全然。こーゆー会話慣れてるし。」

冷めた表情で答える莉子。

話すたびに謎が増える。

知りあって間もないから聞いたりもできねーし。

「せっかく友達になったんだしさ、メアドでも交換しようぜ。」

「そうだね……あ、やば。時間だ!」

携帯の時計を見て焦りだした莉子は財布を探りだした。

「あー…あったあった。コレ、ここに連絡して?あたしの番号レアだからね?…じゃ、あたし用事あるから行くね?」

「あ…おう。」

莉子は慌てて店から出て行った。

渡された1枚の紙は"レイ"と書かれていてアドレスと番号が書いてあった。

レイ?ますます深まる謎。

でもそんな謎の女莉子に俺はハマっていっていた。