「あの、高村さ…」

「ちょっと待った」

話し掛けようとしたあたしの言葉にストップをかけ、高村さんは言った。

 


「俺のこと、俊介で良ーよ!みんなそう呼んでるし」

「俊介……、くん」

いきなりそんなことを言われるとは思ってなくて、結局君付けで名前を呼んだ。
 

 

「で、何かな朝未ちゃん?」

「え、何って言うか、俊介くんあたしに用事があるんじゃ…」

「用事?」
 
「だって急に話し掛けてきたし」

そう言ったあたしを2秒ほど見つめて、急に俊介くんは笑い出した。