「なに、彼氏とか?」

そうたずねられて、あたしの顔は熱を帯びる。


「まあ、その…」
 
彼氏、かあ…

改めて実感させられたようで、どうしてか恥ずかしい気持ちだった。

 
「君、名前なんてゆーの?」

「?、柏木朝未です」

「朝未ちゃんかー」

 
次から次へと話を振ってくるこの人。

喋るのが好きなのかなと納得したけど。
 
 


「俺さ、高村俊介。よろしく!」

そう言って右手を差し出され、つい左手を重ねて、握手をした。

 
にひひ、と笑う高村さん。

その笑顔は、どことなく間宮さんを連想させた。