「で、どういうことかな?」
 
 
あたしは遅刻をギリギリで免れたものの、夕菜にこってりと事情を追求されていた。 
 
 
「だ、だから…その」
 
「はっきりしなさいよ朝未。いい加減言わないと、関谷呼ぶよ?」

「は?!なんで、だめだめ!」

「じゃー白状しなさい」
 
 

もうこれ以上ごまかしはきかないことに気づいたあたしは、渋々夕菜に話した。
 
 
 
「…そっか」

「てわけです」

「良かったじゃん朝未」

「え…」

てっきり怒られると思ったあたしは、夕菜の意外な返事に驚いた。 
 
 

「言わないのは怒ろうと思ったけど、せっかく彼女になれたわけでしょ?」

「まあ…」

 
「おめでと」

 
夕菜はそう言うと、ゆっくり微笑んだ。