「ごめ…」

俺が素直に謝ろうとしたとき、朝未はひらめいてハッとしたように言った。

  
 
「あ!あの、あたしが俊介くんて呼ぶのが嫌なんですか?」 
 
 
なんてコイツにしては珍しい正解。 

でも微妙に俺が思ってるのとは違うから。 
 



「だったらあたし、今度会ったら高村さんて呼びます!」

必死に俺の服の裾をつかんで言う朝未。

そんな朝未の頭を撫でて言った。
 
 


「ごめん、別にそれが嫌なわけじゃないから、気にすんな」
 
「でも…」

「元々は俺がくだんねー事言ったからだよな。マジでごめん」
 
 
そう言って、もう一度朝未の手を握って歩き始めた。




手を引かれて、電車に乗って、気付けばもうSASAKI。

 
その間、間宮さんは至って普通で、さっきまでの事が嘘みたいだった。