沈黙が今はすごく痛い。

曇ったような空気が押し寄せてくる。
 
 
「…あの」
 
「…ごめん」

 
 
「え?」

ごめんと、そう言ったのは間宮さんの口だった。

俯いて、囁くようにそう言ったのは。


 
「ごめん、今俺すげーかっこわりい」

「何が…ですか?」
 
そうなってもまだ良く理解できないあたしは、顔を右に傾けて間宮さんの顔を覗き込んだ。
 
 
 
 
「だー…くそ」
 
わけがわからない奇声をあげたのも、間宮さん。

その瞬間、あたしの頬は間宮さんの大きな両手に包まれた。 
 


 
「間宮さん…?」

「ごめん」

 
そう言って唇を押し付けるようにキスをした。