「ちょ…ちょっと、間宮さん」

 
強く握られた腕の部分にかすかな痛み。

呼び止めても振り返らない間宮さん。
 
あたし、何かした?

 


「間宮さん!!」
 
あたしが大声をあげて間宮さんはようやくピタリと足を止めた。 
 
 
「あの、なに怒って…」 
 
「わかんねーの?」

 
冷えた声にビクッとしたけど、あたしにはその答えが見つからない。




「わかんない…」

「お前さ、もう大学来なくて良いわ」

「え…」

 

なんで?どうして?

ついさっきまで、電話して、何もない生活になったと思ったのに。