―――トントン―――



「はい」



「入っていいか?」



「どうぞ」



やっぱり愛歌は怒っているようだった



――――ガラガラ~バタン。――――



「本は?」



「姉ちゃんの借りてきたんだけど、いいか?」



「うん。てゆうか、何でもっと早く持ってこないのよ!!」



「ご、ごめん。」



「・・・」



「・・・」



「涼貴、あのさぁ。」



「・・・ん?」



「里見山にお月さま見に行きたい。」



「はぁ!?おまえ一応病人だぞ。」



「わかってる。そんな事。」



「じゃあ誰か大人に頼めばいいじゃん。」



「ううん。涼貴と行きたいの。」


なんで僕なんかと行きたいんだ?



不思議に思ったけど聞かないでおく事にした。



「うん。わかった。今度2人で行こう。」