こうして私が行き着いた先は『らーめんうちだ』だった。
その入り口にはまだ準備中の札が掛けられている。
店内に収められた暖簾の隙間から中の様子を伺うと、すぐに厨房に立つウーさんと目が合った。
ウーさんは笑って手招きをしてくれた。
「ごめんね、準備忙しいでしょ?」
「構わないよ、もう少しで開店の時間だ」
お店に入り、いつもの右端の席に座る。
ウーさんは厨房の中を忙しそうに動きながら、言った。
「昨日の彼を見ていたら思い出したよ、1ヶ月前のミナちゃんのこと」
「うん。私も……」
ウーさんが大きな鍋の蓋を開けると、湯気が勢いよく立ち上り、ウーさんを包み込む。
「それ、スープ?」
「麺をゆでるお湯だよ。……そういえば彼、あの後ミナちゃんを慌てて追いかけていったけど、会えた?」
「うん、駅まで一緒に」
そうか、と言いながら、ウーさんは鍋に蓋をして、火加減をみるためにその場にしゃがみこんだ。
私はそんなウーさんの背中に向かって話しかけた。
「あのね……私、彼とキスしたの」
その入り口にはまだ準備中の札が掛けられている。
店内に収められた暖簾の隙間から中の様子を伺うと、すぐに厨房に立つウーさんと目が合った。
ウーさんは笑って手招きをしてくれた。
「ごめんね、準備忙しいでしょ?」
「構わないよ、もう少しで開店の時間だ」
お店に入り、いつもの右端の席に座る。
ウーさんは厨房の中を忙しそうに動きながら、言った。
「昨日の彼を見ていたら思い出したよ、1ヶ月前のミナちゃんのこと」
「うん。私も……」
ウーさんが大きな鍋の蓋を開けると、湯気が勢いよく立ち上り、ウーさんを包み込む。
「それ、スープ?」
「麺をゆでるお湯だよ。……そういえば彼、あの後ミナちゃんを慌てて追いかけていったけど、会えた?」
「うん、駅まで一緒に」
そうか、と言いながら、ウーさんは鍋に蓋をして、火加減をみるためにその場にしゃがみこんだ。
私はそんなウーさんの背中に向かって話しかけた。
「あのね……私、彼とキスしたの」