「えっ、受験生なの!?」

私たちは、駅への道を並んで歩き始めた。

「そうだよ、しかも明日が本命の入試」

そんな大事な時に何やってんのよ……。

「じゃあ私、未成年にお酒飲ませちゃったんだ」

「それなら大丈夫。俺2浪だからもうハタチだし」

だったら尚更こんなことをしてる場合じゃないでしょうに。

「そんなこと気にしなくていいのに、マジメなんだねー」

彼の脳天気な笑顔を見ていると、なんだか頭が痛くなってきた。

「あなたは? ……女の人に年齢聞いてもいい?」

「別にいいけど」

「あーっ、ちょっと待って! 俺が当てるから」

彼はそう言って私の次の言葉を遮ると、大きな瞳で私をじっと見つめた。

そして、

「えーと……22歳くらい?」

と、やけに自信ありげな表情で言う。