「……今日で花歩も、中学生も終わりか…。」


ふいに、ボソッと呟いたお母さんの言葉に少し胸が締め付けられたけど、
聞こえてないふりをして食器を片付けた。

洗面所にいって歯を洗いながら
少しだけ手をとめて鏡に映った自分を見た。


「今日で、最後―…。」


頭によぎったあの人の姿を消すように、歯ブラシを早めに動かした。


――……

―――………