「どうして家出したの?

言ってごらん」






普通だったら言いたくないのに
その時の美沙子さんが



お母さんに一瞬見えてしまった



そしたら、自然と言葉が出てきた





「あの、私・・
高橋財閥の娘なんです」



「え!?あの高橋財閥?」


「はい。だけど私はあの家が大っ嫌いなんです」




それから、お母さんの話や
父親の態度

自分がもっと世の中に出て
自分の力で自分の足で立ちたいこと
全部話すと


美沙子さんは「そっか」と
笑ってくれた






「学校にも行きません」


「え!?行かないの?
勉強はこれから先
仕事とかにも必要だよ?」




「私、もう高校卒業レベルまで
できるんです

そういう学校ですから・・」



美沙子さんは口を開けたまま
固まってしまった