父親は将来の話ばかりをした




「お前にはこの会社を
継いでもらう」



ふざけんな





何度そういいたかったか



だけど、
お母さんだったら

『お父さんはあなたが大好きだから
自分と同じ仕事をしてほしいと
思ってるの


でも、もし将来違う仕事が
したいならちゃんと言いなさい』




優しかった


父親のことも否定せず
私の意見も聞いてくれた




この父親に「ふざけんな」なんて

言ったら天国にいる
お母さんが泣くと思って


あのころの私は
ただうなずくしかしなかった