「おい、風乃!聞いてんのかよ!っのやろう!(ばしっ)」

「い、いたっ!なんだよ、雪風のばか!叩く必要ないじゃんか!」

「聞かない奴がわるい」

「んだと!」


今日も始まるわたしたちの喧嘩。
といっても、本格的なのじゃなくて、なんだか楽しいけどむかつく喧嘩。

わたしの名前は風乃 波(かぜの なみ)。
通称なみの。
むかつくこの男の名前は雪風 蒼(ゆきかぜ そう)。
通称あおいちゃんである。

わたしたちは付かず離れず、男女の友情って成立するの?と聞かれるような関係であったりする。

高校２年生の春、わたしたちはこの学校で出会ったのだ。

最初はむかつくとしか思ってなかったけど、なんだかつりあってく内に仲良くなってた。

わたしたちの名字は、偶然にくっつけることができてしまって、先生から二人合わせて"雪風乃(ゆきかぜの)"と呼ばれている。

イントネーションとしては「ゆきかぜの…?」みたいなかんじだ。

そんなわたしたちは、毎日を平和に、お互いにちょっかいを出しながら、過ごしているんだ。



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