夏休みも終わり、学校が始まった。 うるさいくらいに鳴いていた蝉もいなくなり、緑だった葉も綺麗に染まっている頃。 キス事件から、私は倉庫には行かず、町田とも話さなかった。 それだけ怒ってるってこと。 誰がしたかも教えてくれないし。 たまに、慶とかからメールもくるけど全部無視。 生活にぽっかり穴が空いた感じだけど、希とか唯と遊んでるだけで満足だった。 でもやっぱり、たまにすごく会いたいって思う。 紅虎の存在は、私の中で確実に大きくなっていた。 そんなある日――――…