……………
………。

ハァー…
なんなのこの人?
さっきから全然片付いて
ないし。
むしろ彼が棚に触る度
どんどん物が落ちてくる…

彼の体のどこかしらが
物にぶつかり落としている。

そんな事にも気付かず
一生懸命片そうと頑張ってる。

あーもう!!
こんなんじゃ埒が明かないし
見てらんないよ…
しかも柚先生戻ってこないし
ハァー…

「あの…私が片すんで
休んでてください…」

『いやいや!
自分がやったものを竹内さん
に任せちゃ駄目っしょ?』

そう言って彼はニカッと
あの笑顔を見せた。


ん……?
まてよ??
なんで彼が私の名前
知ってんの?

確か教えてないと思うけど…

となると彼は最初から
私の名前知ってたのかな?

いやいや!
そんなはずないよ…
地味な私が知られてるはず
ないじゃんか…


『プハハッ!
竹内さん…顔がヒドイ事に
なってるから…アハハッ』


なっ!!
なんて失礼な奴!!
自分がちょーっと
笑顔が素敵だからって
イイ気になるなー!!


『なんで俺が竹内さんの
名前知ってるか
不思議なんでしょ?

でも、誰でも分かるよ?
だって上履き見てごらん。
竹内綺華って書いてある』

そう言いながら私の上履きを
指差す彼。