「いや、親父・・・父から教わりました。で、話って何ですか？」
俺がそういうと、おっさんは豪快に笑った。
俺が呆気にとられていると、おっさんは瞳を鋭くして、俺を見た。
「きみ、愛華の何なんだ？」
「・・・・・・はぁ・・・愛華のですか？」
「〝愛華〟！ 呼び捨てする関係なのかっ！」
そう大声で言うおっさんに、ぎょっとする。
な、何なんだよっ！
このおっさん、もしかして愛華の親父かよ！
そう言えば愛華、このおっさん見たとき『お父さん』とか言ってたな・・・。
「そんな関係とかじゃなくても、呼び捨てぐらいしますよ。」
「嘘だ！」
嘘だ！ って言われちゃったよ、俺。
頬が引きつる。
「なんだその顔は！！ ・・・まあ、いいだろう。」
冷静さを取り戻したおっさん。
俺は、ためていた息を吐く。
このおっさん、精神的に無理だ・・・。
