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次の日。




俺は、登校中に、不審者に会った。




「やあ、キミは成本悠馬クンだったかな?」




「・・・・・・。」




昨日の、中年ぐらいのおっさん。




いやあ、縦が短く、横が長い事で。




太ってる人の、標本だな。




「・・・おっしゃる通り、成本悠馬ですけど。すいません、急いでるので。仕事の事は、父にお願いします。」




俺はそう言って、軽く会釈をして横を通ろうとした。




「いやー、キミはしっかりしてるね。」




おっさんの脂肪が、邪魔をする。




「どうも。では、これで。」




「ちょっと待ってくれないかね? これから、話でもしないかい?」




「それは〝学校サボれ〟という事ですね。」




「うん。まー、そう、なるかなぁ。」




〝かなぁ〟じゃなくて、そうなる。




「分かりました。学校サボれば、いいんですね。」




「ああ、ありがとう。」




「親父に怒られますけど・・・まあ、いいです。」




「・・・きみ、さりげなく罪悪感を与えるのが、得意みたいだね。」