「あ。」




宅急便のトラックだ。




「・・・いいこと、思いついた。」




「サクラ先輩の〝いいこと〟は、なんか嫌な予感がします・・・。」




「大丈夫、大丈夫。」




私は、宅急便の人の近くに行って・・・




「わっ!」




「っうわあぁぁあぁ!!」




脅かしてみた。




「あ、あの・・・サクラ先輩。どーゆーつもりですか?」




「・・・上着、貸してください。」




宅急便の人は、わたわたと慌てている。




「え、う、上着!? って、サクラ!?」




あ、レオだ。丁度いい。




「早く。あと、荷物も。早く、早く。」




「えぇっ!? お、俺、バイト中・・・!!」




ブツブツ言いながら、レオが上着と帽子を貸してくれた。




「どーすんだ? サクラ。」




「ん? 別に。」