「椎奈の事、なめたことない。」




「っあ、そうでしたね、サクラ先輩!」




・・・私は、水城真桜だけどね。




「じゃあ、行きますか?」




「・・・うん、行く。もう、待てない。」




私の答えに、椎奈は笑顔を漏らした。




「行きましょう! 案内します!」




「っあ、う、うん。」




私は椎奈に引っ張られながら、屋上を出た。




階段を降りて、下駄箱で素早く靴に履きかえる。




校舎を出て・・・―――途中で、誰かとすれ違った。




それは気にせず、私は悠馬の過去を知るために、急いだ・・・―――。