俺は、ため息を吐いて、カウンターに向かった。
予想通り、本が散らばってる。
周りの人が、散らばった本を拾うのを手伝ってる。
「あっ、成本くん! こ、来なくてもいいで―――っきゃあ!」
今度は、本につまずいた!
――― バサバサッ
東城が持っていた本が、綺麗に宙を舞って、落ちた。
・・・コイツ、トラブルメーカー。超危険人物だ。
「うぅ、申し訳ないです・・・。」
「・・・うん。自覚してるんなら、そこでジッとしてて。」
「・・・はい。」
ちょこん。と、カウンターに寂しそうに座る。
ざ、罪悪感・・・感じるんですけど。
でも、コイツは本に近づけてはいけない。
俺は、罪悪感と格闘しながら、本を拾う。
・・・なんか、東城って・・・前に会った気がするんだよなぁ。
・・・・・・気のせい、だよな。
「あっ、成本くーん! これ、わかんなーい! ああっ! 本、落ちた!!」
・・・気のせいと、信じよう。