その理由は先祖代々、メイドや執事の仕事をしている家系に生まれたから。


メイドは主人にすべてを尽くし、サポートするとか何とか……面倒な掟がある。


運悪くその掟に従う羽目になった私の名前は、水城真桜。


今日からメイドとしてお金持ちの家で働くことになっている。


勿論、住み込みで。


仕える人は、成本悠馬……成本企業の御曹司らしいけど……


「成本君じゃん……」


私は深い溜息を吐いた。


……同じ学校のヤツだし。


落ちる気分と歩く速さの落ちる足。


それを無理矢理動かして、私は大きな屋敷の中に入った。