真桜ーーーーーーっ!!




「おい、誰って・・・昨日会っただろ!!」




「・・・さぁ? 忘れた。」




俺は、頭を抱えて座り込みたくなる気持ちを、必死に抑える。




耐えろ・・・耐えるんだ、俺!




そんなことしてる場合じゃないだろ。




聞きたいことが、あるんだし・・・。




「よろしくね! って、忘れちゃった? 私だよ、古森 サヤ(コモリ サヤ)!」




「・・・・・・あぁ、あの・・・。」




「うん。思い出した?」




「バッチリ。あの時、私の上履きをボロボロにしてくれて、ありがとう。」




営業スマイル付き。




・・・全然、ありがたそうじゃないよ、真桜ー?




笑顔に、裏がありそうだ・・・。




「え? 上履き? ボロボロ? それって、なぁに?」




「特に、いい思い出じゃないから。じゃ、よろしく。」




そう言う真桜は、特に昨日のことも、ここになぜいるかも聞かなかった。




嫌な予感しかしない俺は、朝、古森に会った時から、挙動不審になってしまった。




ん? でも、今考えると、俺の上履きがボロボロになったのって・・・・・・。




もしかして―――・・・。