社長室に帰るや否や。


「本当に酷いね、るいは。」


「すみません。」


「傷ついたんだけど。」


「はい、申し訳ありません。」


「3回目。」


「はい?」


「るいに傷つけられたの。3回目なんですけど。」


さいですか。

それはそれは申し訳ございませんね。

あと2回がいつなんだか知らないけどさ。



「お言葉ですが社長。さすがに300個もケーキを持ち帰る人なんて居ないと思います。」


あの後、赤くなった可愛い店員さんが、真っ青になるのを見た。

支配人やらシェフやら、色んなお偉いさんが並んでお詫びしていた。


「300個直ぐにご用意出来なくて申し訳ございません!」


なんて言わせてさ。


このバカ社長に深々と頭を下げてたんだ。



「日替りで出してるオススメケーキが、300個も直ぐに出てくるわけが無いでしょう?

例えあったとしても、そんな膨大な数要らないでしょうよ。」


アンタが大食い選手だとしたって、食べきれる訳ないだろうが。